活動概要
活動の背景と目的
森の国Valleyは、愛媛県の国立公園内に位置する滑床渓谷と目黒集落を拠点に、人口減少社会において自然のリズムと共に価値を生み出し、持続可能な未来の暮らしを実践しています。例えば、森林の間伐による原生林蘇生、自然農の実践、野外教育、そして独自の価値交換手法「森コイン」による贈与型経済の実験など、多角的な取り組みを進めています。
取り組み事例のご紹介:https://morino-kuni.com/
現在、私たちはアカデミアと連携したプロジェクトとして、源流域の自然環境が下流域の自然や人の健康に与える影響を科学的に解明することを目指しています。普段森の国Valleyに住む私たちは、自然のリズムや繋がりを日々の暮らしの中で感覚知や身体知として実感していますが、本プロジェクトで改めて、「私たちが日々感じる豊かさや繋がり」を科学的知見からも確認し、地域で古くから営まれてきた実践知を改めてデータという共通言語で社会や世界に発信し、ネイチャーポジティブに寄与するモデル構築の根拠を蓄積することをビジョンとしています。しかし、その前提となる「森の健康度」そのものを定量化するデータが不足しているという課題があります。

主要な取り組みと課題解決
本プロジェクトでは、日本の南限に位置するブナの原生林を水源とする目黒川の上流から下流、さらには四万十川を経て海に至るまでの流域全体で、継続的な水質調査を実施します。降雨時の水質変化、土壌の状態、生物多様性など、森の健康状態を多角的に可視化し、「豊かな森が豊かな海を育む」という仮説を科学的知見で裏付けることを目指します。
フェローへの期待
このデータは、今後の森の国Valley活動の根幹となり、創発するプロジェクトに科学的見地を添える重要な基礎資料となります。本プロジェクトでは、集落が駆動する重要テーマを一緒に創ってくれるフェローの参画を求めています。

活動フィールドの特徴
主なフィールドとなる森の国Valleyは、愛媛県松野町の目黒集落に位置し、四万十川の源流の一つである目黒川と足摺宇和海国立公園内の滑床渓谷に囲まれた地域です。人口約250人の限界集落でありながら、花崗岩質の特殊なジオ地形が生み出す日本有数の超軟水と米作りと昔ながらの暮らしが残る数少ない里山です。森の国Valleyでは、古くから自然と共生してきた集落の知恵「あめつちの心に近づかむ」という考え方のもと、生態系の循環の一部である持続可能な暮らしや営みを大切にしながら、森林、渓谷、清流が織りなす豊かな自然環境を舞台に、自分たちの暮らしを自分たちの手で作るため、森・農・食・医・育の5分野が有機的につながる活動やプロジェクトを行っています。

フェローへのメッセージ
自然のリズムで暮らし、昔ながらの知恵で営みを続ける中に、科学的な視点で「なぜ?」の視点から問いを出してくれる方を求めています。一ヶ月という限られた期間で、定点観測のデータを着実に積み上げていく地道な作業が中心となりますが、そのデータが森の健康、人の健康、そして地域の未来を繋ぐ重要な基盤となります。先人の知恵と現代科学の翻訳者として、共に森の国Valleyから新しい知見を創造しましょう!
活動拠点や施設について(随時更新)
【宿泊施設】
プロジェクト期間中は、国立公園の中にある長期滞在者向けのエコビレッジレジデンス「水際のCampus」のフレンズルーム(ドミトリー形式)をご利用いただきます。全室から森の景色が望め、大浴場、カンファレンスルーム、リモートワークブース、ランドリーなどの設備も完備しています。
水際のCampusの情報はこちら:https://morino-kuni.com/camp-us/

【食事環境】
水際のCampusでは、プロの料理人が監修した本格的な多機能オープンキッチンを備え、基本的な調味料や什器も用意されており自炊が可能です。また、「森のアブサロン」という滞在者同士で料理を作り、食べ、片付けるコミュニティダイニングも定期的に開催しています。
【アクセス・移動手段】
JR予土線松丸駅から車で約25分の距離に位置します。最寄りの松丸駅まではJR宇和島駅より約45分です。集落内や周辺施設への移動には車が必要となりますが、森の国Valleyの住民同士で乗り合いなど声かけを行っています。
【周辺環境・買い物】
日常的な買い物は松丸地区(車で約25分)のスーパーや商店を利用することになります。 森の国Valleyでコミュニティ活動を継続していると、食材は近所の方からお裾分け「いただく」機会も出てきます。
※フェローの活動内容や希望によって、具体的な生活サポート体制は相談の上で調整可能です。
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