アフリカ・ケニアのサバンナを舞台に、地域住民と野生のゾウの軋轢を解決する「養蜂箱フェンス」という仕組みを事業展開しています。
ゾウがハチを本能的に嫌う習性を活かし、集落や畑のまわりに養蜂箱を連結して設置。ゾウの侵入を防ぐフェンスとして機能させることで、農作物を守りつつ、ゾウを傷つけることなく人との距離を確保します。
また、フェンスで得られたハチミツは日本へ輸出され、生物多様性保全・生計向上・地域との協働を同時に実現する保全型ビジネスモデルを構築しています。
ゾウによる農作物被害や人身被害、さらには地域住民による報復的なゾウの捕殺が繰り返される現場で、「どうすれば人と野生動物が互いに傷つけず共生できるのか」を問い続けてきました。そこでたどり着いたのが、自然の力を活かすアプローチです。
収益となるハチミツが地域にもたらされることで、住民自身が保全の主体となる循環を作り出しています。この取り組みの背景には、「生物多様性と人間活動は本当に両立できるのか?」「人と自然が衝突しない社会はつくれるのか?」という問いがあります。大学時代に野生動物管理を学び、国内外での保全プロジェクトやフィールド実践、起業を経て、科学的知見を社会に実装する道を選びました。
サバンナの現場で日々向き合っているのは、生態と暮らしがぶつかる野生のリアル。そこに希望の光をつくることが、私たちの役割だと考えています。