活動概要
大浦川流域は、日本の重要湿地500にも選定される豊かな水環境であり、北限域のマングローブ林を中心に、多様な生物が共存する全国的にも貴重な生態系を有しています。一方で、調査データなどが地域に十分還元されていないことや、科学的根拠に基づく保全施策が十分に整っていないという課題を抱えています。こうした背景から、名護市東海岸10集落が共同で運営するわんさか大浦パークでは、環境省のバックアップも得ながらエコツーリズムと地域振興を統合した「再生型ツーリズム」の確立にチャレンジしてきました。
本プロジェクトでは、研究知見の整理、保全方針の策定、市民参加型モニタリングの仕組みづくり、環境協力金を活用した財源基盤の強化などを通じて、生態系保全と地域振興を両立するモデルの構築を目指します。地域住民・観光客・研究者が協働することで、訪れるほど自然が再生し、地域が元気になる「好循環」を生み出すことが重要な狙いです。
今後は、ツーリズムコンセプトのアップデートや自然共生サイト登録、教育旅行・インバウンドなど販路開拓を進め、保全と地域振興が相互に支え合う持続可能な水環境保全モデルとして全国へ発信していきたいと考えています。

活動フィールドの特徴
活動の中心となる大浦川流域は、森・川・海が近接してつながる独特の地形をもつ、沖縄本島でも稀少な自然環境です。河口部には北限域のマングローブ林が広がり、汽水域ならではの多様な生態系が形成されています。淡水・汽水生物、昆虫類、底生生物など、複数の環境要素が重なり合う「生きたフィールド」である点が大きな特徴です。
地域コミュニティは、10の小さな集落が連携して施設を共同運営する全国的にも珍しい体制をとっており、自然と共生する暮らしの文化が現在も息づいています。わんさか大浦パークはそのハブとして、年間約6,500人が訪れる遊歩道やカヤック体験を提供し、季節によって変化する干潟・マングローブ・河川の姿を通年で観察できる場となっています。
また、10年以上にわたり、学生ボランティアやインターン、ふるさとワーホリ、副業人材など多様な人材の受け入れを行ってきており、全国に「わんさか応援団」と呼ばれる関係人口が育っている点も、この地域ならではの特色です。
フェローへのメッセージ
自然環境や地域コミュニティの営みに深い関心を持ち、未経験のことにも前向きに挑戦できる方を歓迎します。わんさか大浦パークや地域には、ベンチャーのようなカオスさや曖昧さもありますが、その状況を楽しみ、価値に変えていく主体性を期待しています。自分のビジョンと地域の夢を重ねながら、可能性あふれる沖縄・やんばるのフィールドで、新しい未来をともにつくりましょう。
活動拠点や施設について(随時更新)
アクセスは、高速バス・やんばる急行バスの「世冨慶」バス停から車で約10分で、必要に応じて送迎にも対応しています。カヌチャリゾートのシャトルバスは施設前まで来るため便利です。一方、地域内の路線バスは本数が少ないため、滞在中はマンスリー契約のレンタカーを利用するのが現実的で快適です。
宿泊は、地域内の民宿や空き家を活用した滞在が中心で、自炊を交えながら地域の暮らしを体験できます。買い物はわんさか大浦パーク内の直売所や大浦共同売店、近隣コンビニが利用でき、車で15分圏内には複数のスーパーもあり、生活環境は十分に整っています。
屋外活動もあるので、サングラス・薄手の長袖・サンダル・日焼け止め・虫除けなどの持参を推奨しています。近くには大浦コインランドリーもあり、長期滞在でも不自由なく生活できる環境です。
事前登録・エントリー
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