私は、鹿児島県の世界自然遺産・屋久島を拠点に、JINEN株式会社を立ち上げました。
私の原点は、故郷・千葉県銚子市が「消滅可能性都市」に指定され、実家の水産仲卸業が気候変動で漁獲量減少に直面しているのを目にしたことです。この危機感から「持続可能な暮らしと地域」を追求する旅に出ました。旅の途中で「エコビレッジ」の概念に深く共感し、いつか自分もそうした場所を創りたいと考えるようになりました。そして2021年、その理想を実現する最高の場所として屋久島にたどり着き、移住を決意しました。
JINENという社名には、本来の「じねん」という読みが持つ「人と自然の“つながり”」という意味を込めています。この理念のもと、二つの事業を展開しています。
一つ目は、「JINEN TRAVEL」です。これは、お客様にパーソナライズされた「本物の日本」を体感できる旅を提案するAI旅行エージェントです。単なる消費にとどまらず、旅行者が地域の資源再生に貢献し、文化や歴史、生態系が未来へと受け継がれる「再生型観光」の実現を目指しています。
二つ目は、「JINEN SAUNA」です。「人も地球も整う」をコンセプトに、屋久島産の木材を用いたサウナの開発・販売・運営を行います。このサウナは、参加者と共に作り上げる「共創」、自然が整うような建築手法の「再生型の建築」、そして環境負荷を可視化する「科学」という3つの特徴を持っています。屋久島では年間5,000m³もの木材が島外へ流出し、林業が立ち行かない現状に対し、私はこの島産木材に付加価値を与えることで地域に収益を還元し、ひいては世界自然遺産である屋久島の森の荒廃を防ぎたいと考えています。
私のビジョンは、2030年までに全国10エリアにリジェネラティブなフラッグシップホテルを建設し、新しい観光産業のスタンダードを築くことです。JINEN SAUNAも、屋久島でのオープンを皮切りに、将来的には東京にも展開し、都市と地方の資源循環を生み出すことを計画しています。
最終的には、株式をコミュニティ全体で共有し、共通の空間を皆で管理して次世代へと繋いでいく「Exit to Community」という目標を掲げています。
<Driveメディアで紹介されました>
屋久島を起点に、地域の未来をつないでいく。「再生型観光」の提案と島産木材の「循環」を促すサウナが始動